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どうぶつ畑

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動物と伝染病

 伝染病にもいろいろあります。感染も空気だったり、飛沫だったり、糞便だったり、傷だったり。治療法が有るものも無いものもあります。最近ではコイヘルペスや牛海綿状脳症(BSE)、いわゆる狂牛病なんかが騒がれています。ヒトと共有する病気も有り、それらは人畜共通感染症と呼ばれています。感染経路もさまざまで、一度伝染病が発生すると感染経路や原因をつきとめるのは大変なことです。ここでは主にヒトを介しての伝染病について触れてみたいと思います。
 「動物を触ったら手を洗ってうがいをする」当たり前のように言われていることです。これは衛生的なものと、もし触った動物に何かしらの人畜共通感染症がある場合、手洗い・うがいを行うことで動物からヒトへの感染はたいてい防ぐことができるためです。しかしその手洗い・うがいにはもうひとつ大切な役割があります。それは、 そこにある菌を持ち出さないということです。ヒトが媒介となって病気が広がるというケースも決してないわけではありません。例えば接触感染の場合、手に菌がついたまま家に帰り飼っている動物に触れると菌はその動物に付着します。あるはずのない菌が、ヒトを介して移動するのです。伝染病には潜伏期間があり、保菌していてもある一定の期間経たないと発症しないものや保菌していても抵抗力が備わっていれば発症しないものもあります。またある動物は保菌していてもなんら影響の無いものでもある動物にはそうでないものもあります。触った動物が元気だったとしても100%大丈夫だとはいえないのです。もちろん不特定多数の人が訪れる動物園などではそのようなことが起らないよう消毒作業や検査は欠かしませんが、それでも地球上に動物と細菌が存在する以上、リスクは減らせても完全に無くすことはできません。これはヒトと風邪や病気のウイルスの関係と同じことです。
 今、各家庭などで様々な動物が飼育されています。病気は動物園動物だけのものではなく家庭で飼われている動物たちのものでもあります。そう考えるとある動物を触るとき、手洗い・うがいを行うのは果たして触った後だけでよいのでしょうか。家で飼っている動物が菌を持っているかもしれないということも念頭に入れなくてはいけません。 「手洗い・うがいは動物を触る前と触った後に 」実はこれが本当に行って欲しいことなんです。
 動物園ではよそから動物を新しく向かえるとき必ず一定の期間隔離をして必要な検査などを行います。隔離期間や検査内容は種によって様々ですがこれはまさしく菌を持ち込まないための処置です。動物園で飼育されている動物は多岐に渡りしかもたいてい1頭ではありません。伝染病ならば1頭の感染が全体の感染につながり、最悪の場合、群れの淘汰ということになりかねません。動物園などの動物が多く集まるところが他の動物の連れ込みをお断りしているのは、つまりそういうわけなのです。
 家庭で普通に飼育されているウサギやモルモットの場合、 菌が家庭と動物園をつなぐということも十分に考えられることです。あまり神経質になる必要もありませんが、そのような危険性もある、ということを知っておいていただきたいと思います。動物園だけでなく友達の飼っている動物を触るとき、自分の飼っている動物を触らせるとき、ペットショップで触るとき、たまたま出会った動物を触るとき、その動物が自分の飼っている動物と同じならなおさら 触る前と触った後の手洗い を意識的に行って欲しいと思います。


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